実況見分書で過失割合が決まるので、しっかり確認しましょう。

○物損事故

事故発生時点で、人のケガが確認できない交通事故のことです。実況見分はない場合もあります。供述調書は検察庁に行かないので、通常は刑事処分は受けません。飲酒運転、信号無視といった行政処分の対象となるものなら、違反点数が加算されます。

○人身事故

事故後に、人のケガが確認できた交通事故です。人を傷つけたので刑事事件になるかの責任が問われます。人身事故では必ず実況見分がされ、実況見分書や供述調書は、検察庁に送られて刑事事件になるか調べられます。検察庁に調書が送られる時期は、簡単な事故なら一か月程度、捜査が必要なら数か月かかります。

実況見分で言い忘れたことなどは、後日、追加したり修正することができます。修正の期限はありません。ただし、検察庁に調書が送られ、検察の処分が確定してしまうと、調書の変更は難しくなります。
（長野県警察本部　交通部に確認しました）

※＜むち打ち＞になってしまった場合は、ご自分の自動車が停車していたということをしっかり伝えましょう。
※実況見分と現場検証・・・任意でされるのが実況見分、強制でされるのが現場検証。
※実況見分書・・・警察によって作成される、交通事故の状況を図面化した証拠書類。
※供述調書・・・交通事故の当事者（加害者、被害者）の説明、目撃証言などを記録した書類。

人身事故の場合、加害者は、刑事上、行政上、民事上の責めを負います。

○刑事上の責め・・・警察から検察庁に事故が報告され、犯罪行為におよんだ者とし、被害者にかわって、国が加害者に刑罰を与える処分です。

○行政上の責め・・・警察から公安委員会に事故が報告され、道路交通上の危険を防止するため、被害者にかわって、国が加害者を道路交通の現場から一定期間排除する処分です。

○民事上の責め・・・被害者は加害者に損害を賠償する権利があります。治療については必要かつ妥当な範囲とされているので、被害者はご自分の被害を証明するために、きちんと資料を揃えることが大切です。

１１０番でも交番でも可能です。

○届け出ないと被害者が不利になります。

加害者から交通事故の届け出をしないように頼まれても、必ず届け出をするようにしましょう。加害者に治療費を負担すると言われていても、その後、治療費を負担してもらえなかったケースもあります。届け出の方法は１１０番でも、交番でも、付近の警官でもかまいません。

※警察への届け出は運転者の義務です（道路交通法７２条１項）。届け出ないと（違反をすると ） 道交法第119条第１項第10号で規定されている罰則を受けます。三か月以下の懲役又は５万円以下の罰金となります。（長野地方検察庁に確認しました）

加害者と被害者、医療機関で人身事故を証明できれば可能です。

○自賠責保険を使っての治療

何らかの原因があって、警察へ事故の届け出ができなくても、医師の診断書や、柔道整復師の施術証明書があれば、自賠責保険を使って交通事故の治療をすることができます。
※自賠責損害調査事務所の調査があります。

自賠責損害調査事務所で認められると、人身事故の事故証明書がなくても任意保険の支払いを受けられます。（三井住友海上に問い合わせしました）


※自賠責保険は被害者保護の立場から、被害者の負傷状況が明らかになると治療費や慰謝料の支払いがされます。
※任意保険は自賠責保険の保障を超えた部分について、株式会社が商品として取り扱う保険です。購入したのは加害者なので、人身事故証明書が無ければ、被害者への支払いは無いか、早期に打ち切られます。
※裁判や後遺症認定をする場合、人身事故の事故証明書が必要となりますので、交通事故では必ず警察に届け出をしましょう。